『コクリコ坂から』を観た。

コクリコ坂から』(参照)を観ました。ネタバレとかあるかもぜよ。

友人が「ジブリっぽくない」とボヤいておった。ジプリっぽさと宮崎駿っぽさの違いってなんなんだろうなとボンヤリと思いながら、映画館に行く日を探していた。私には『ゲド戦記』なんか割と面白かった。監督が苦労しているのが分かったから。それと、建物の描き方なんかは、宮崎駿のものより好きだ。

今作も、建物が好い。しっかりと建っているのが好きだ。東京の街並みや横浜あたりかの公園か、主人公の通う商店街や風間の実家周りまで。特に水辺の町の表現について印象が強いけれど、思い入れがあると勝手に見なしているよ。

てなわけで「カルチェラタン」も掃除前の秘密基地的な雰囲気よりも掃除後の清掃された状態のほうが馴染む。安易だけど、前者は駿さん的、後者は五朗さん的とみると、まぁ何か言った気になる。

Wikipedia で原作の情報を眺めていたら、大分設定に手が入っているのだと分かる。脚本は駿さんなので、これは流石ですね。すっかりと纏まっていたね。

感想か批評か、幾つかブログを眺めていて「駿さんの絵コンテが提供されている部分だけいい」みたいなのがあったけど、残念ながら私にはそこまでの見分けがつかない。

アニメ表現の是非など分からんけど、たとえば風間くんが座席をカッ飛んでいく描写なんてのは寧ろ違和感を感じた。どうだろうか。なんとなく、急斜面を無茶な速度で下る描写は個人的な感覚の内で許容範囲なのだが、あのアクロバティックな立ち回りは嫌な感じを受ける。細事だ。

ついでに、立ち回りののちの風間くんの演説だけれども、これは監督の意図がかなり強いなと思った。で、どっかに監督自らが脚本に書き足したとあった。真偽は知らんけれど、確かに監督が言わせたのであって、風間くんがアジテーションするのが奇妙に見えたとかあるんだけど、いや原作ではおそらくあのような振る舞いも不自然ではない人物っぽいのであって、監督の意気込みや好し。面白いじゃんけ。

詰まんないこったけど、幾ら画家さんの指先器用さであっても、玉ねぎ2個、ジャガイモ3個を片手でホイホイと拾い上げられるもんかね。

最後に、これはおそらく当たっていて、私にも分かる程度の話なのだが、吾朗さんの髪の毛の先端の描き方な。あれ「ゲド戦記」を観たときにたいへんに違和感を感じたのだが、今回も髪を下ろした主人公の毛先のまとまり方が前回同様だった。

個性なのかとも思えるが、駄目な髪の描写の例みたいなので見た例に似ているような気もしている。細事である。お下げも、下ろした髪もどちらも可愛かったのであるから。