『ローマの歴史』を読んだ

『ローマの歴史』(参照)を読んだ。中公文庫で1冊になっているやつ。とある日記記事で紹介というか、参照されているのを読んで、面白そうだと思ったんだ。ジャーナリストだというモンタネッリ氏が書いたという。Amazon さんのレビューで☆3だった評には、この本からの安易な引用が許せまじ、みたいな語調があったけれど、それは引用した側の問題だわな。笑えぬ。

で、確かに面白かった。そもそもローマ史が面白いたって、どっから侵入すればいいのかしらん。シリーズものの歴史シリーズだとしたって、ローマ史にページをそれほど割けるわけでもなかろう。歴史の教科書なんて言わずもがな。では、どこから手をつけていいか。

いや、この本で最初で最後でもいいんじゃないかと思う。さっきの、この本からの引用がマズイのはジャーナリストが面白可笑しく描写したものであり出典などが曖昧な文章が多いからなのだろうけれど、前提として面白くなけりゃ読まんもんよ。

なんだね、この後はギボンの『ローマ帝国衰亡史』でも読めばいいのか。

ヴェスパシアヌスの改革周辺から思うところが多くなってきた。これは拡張から崩壊までにずうっと言えることだけれど、国家の領土的な境界なんていうのは大変に曖昧だね。人間の数や争いが煮詰まって制度が引き敷かれた現代社会といえども100年、200年後にはどうなってるかなんか誰にもわかんねーな、と。